[Vol.1197] 原油、欧州天然ガスは反落

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。97.18ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,924.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は13,335元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年04月限は632.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで912.7ドル(前日比14.5ドル縮小)、円建てで3,518円(前日比35円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月16日 18時32分頃 6番限)
7,296円/g 白金 3,778円/g
ゴム 244.3円/kg とうもろこし 48,480円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「原油、欧州天然ガスは反落」

前回は、「金(ゴールド)、排出権は反発」として、3月2週目に反発した、さまざまな銘柄の価格推移に注目しました。

今回は、「原油、欧州天然ガスは反落」として、3月2週目から反落した、さまざまな銘柄の価格推移に注目します。

前々回述べた「3.上昇後反落」(ウクライナ侵攻後、3月2週目まで上昇、その後反落)に該当する銘柄には、石炭、欧州の天然ガス、原油などのエネルギー銘柄があります。

また、ウクライナと関わりが深い小麦やロシアと関わりが深い小麦、パラジウム、アルミニウムなどもあります。これらの銘柄は、侵攻直後は大きく上昇しましたが(欧州の天然ガス価格は一時2倍強まで上昇)、3月の2週目から、反落が目立ち始めています。

(小麦は、3月の3週目に入り、ロシアが輸出を制限するとの見方を示したことから、再び反発しています)

WTI原油先物は、侵攻後、一時130ドルを超える場面がありましたが、3月の3週目に入り、足元97ドル台近辺で推移しています。一時の過熱感が、和らいだ印象があります。

また、「4.反発せず」にあたる銘柄は、米国の主要株価指数が挙げられます。ウクライナ情勢が悪化したことや、制裁強化によりエネルギーなどの価格上昇が目立ち、インフレ圧力が強まったことなどによる景気減速懸念のほか、米国の金融政策が具体的に引き締め方向に向かう観測が強まったことが要因とみられます。(ウクライナ情勢以外の材料が影響している)

図:ウクライナ侵攻前日以降の価格推移「3.上昇後 反落」


出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。