[Vol.1243] ウクライナの農産物輸出量と見通し

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。110.92ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,848.93ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は13,175元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年07月限は712.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで915.93ドル(前日比4.58ドル拡大)、円建てで3,753円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月26日 12時04分頃 6番限)
7,551円/g
白金 3,798円/g
ゴム 247.1円/kg
とうもろこし 53,490円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●シカゴ小麦先物(期近) 月足  単位:セント/ブッシェル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「ウクライナの農産物輸出量と見通し」

前回は、「ロシアとベラルーシの化学肥料輸出」として、「食糧価格高」の背景の一つである「生産量減少」の一因とみられる化学肥料の輸出減少懸念について、書きました。

今回は、「ウクライナの農産物輸出量と見通し」として、「食糧価格高」の背景の一つ「輸出量減少」の一端である、ウクライナの農産物輸出について、書きます。

USDAは今月、需給見通しを公表しました。今月より、2022年/2023年度産の見通しが含まれるようになりました。以下は、ウクライナにおける主要農産物の輸出量とその見通しです。

見通しの段階ではあるものの、トウモロコシと小麦、そして世界屈指の輸出シェアを誇るヒマワリ油の輸出量が大きく減少すると、されています。USDAのデータによれば、ウクライナの輸出シェアは、トウモロコシが13.0%、小麦が8.3%、ヒマワリ油が46.7%です(2020年度)。

高シェアを誇るウクライナの輸出量が急減する見通しが示されたのは、ロシアによる黒海沿岸の主要港湾の閉鎖や、軍事侵攻で生産活動の一部に支障が出ているためです。

その他、(「生産量減少」「輸出量減少」に加え)ロシアによる「囲い込み」拡大の懸念もあり、ウクライナ危機が終わらない限り、なくならない可能性が高い材料が複数あります。さまざまな方面から圧力がかかり、「食糧価格高」が起きていると言えます。

図:ウクライナにおける主要農産物の輸出量 単位:千トン


出所:USDAのデータをもとに筆者作成

 

関連ページ

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。