[Vol.2177] 中東情勢悪化で食料価格高止まりは長期化

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。96.29ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,725.64ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年05月限は16,090元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年05月限は814.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2804.99ドル(前日比34.61ドル縮小)、円建てで15,213円(前日比225円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月19日 17時12分時点 6番限)
25,052円/g
白金 9,839円/g
ゴム 367.9円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●シカゴトウモロコシ先物(期近) 月足 単位:ドル/ブッシェル
シカゴトウモロコシ先物(期近) 月足 単位:ドル/ブッシェル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「中東情勢悪化で食料価格高止まりは長期化」
前回は、「生産効率向上は世界の食料供給の生命線」として、世界三大穀物の生産量と収穫面積の推移(世界全体)を、確認しました。

今回は、「中東情勢悪化で食料価格高止まりは長期化」として、食料価格指数(世界全体)
を、確認します。


図は世界全体の食料価格の動向を示す食料価格指数(世界全体の食用油・かす、穀物、その他食品の価格をまとめた指数)です。

以前の「[Vol.2174] 肥料価格は原油価格に追随する傾向あり」で、肥料価格指数や原油相場において、長期視点の底上げしたことを確認しました。この食料価格指数も、1980年ごろと2010年ごろに、長期視点の底上げが起きました。

肥料価格指数の底上げは、多数の品目にわたる農産物の生産コストを底上げし、直接的に農産物価格を底上げします。原油相場の底上げは、輸送、燃料、各種素材などの価格を底上げし、間接的に農産物の価格を底上げします

また、食料価格指数の動向に影響を与える要因は、肥料や原油の価格動向だけではありません。

食料自身の要因である、世界人口増加(食用・畜産用需要増)という1980年の以前から存在する要因のほか、食文化欧米化(一人あたり食料需要増)、農産物需要多様化(脱炭素向け需要増)、異常気象多発(供給減少リスク増)、資源武器利用増(供給減少リスク増)、投資マネー増(価格振幅増)などの2010年ごろから目立ち始めた要因もあります。

もともとあったこうした構図に「ホルムズ海峡封鎖」が上乗せされたというイメージです。ホルムズ海峡封鎖は原油や石油製品だけの問題ではありません。世界全体の食料価格の高騰に拍車がかかれば、日本を含め一国の物価動向に強い影響が生じます。

高い視座から広い視野で、「ホルムズ海峡封鎖」を見守る必要があります。

図:食料価格指数(世界全体)
図:食料価格指数(世界全体)
出所:世界銀行のデータをもとに筆者作成

 

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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。