[Vol.1403] 変動率が高すぎて脱落した銘柄は2つ

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。78.72ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,910.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は13,300元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年03月限は545.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで863.05ドル(前日比1.55ドル拡大)、円建てで3,591円(前日比92円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月19日 14時54分頃 6番限)
7,846円/g
白金 4,255円/g
ゴム 227.8円/kg
とうもろこし 43,700円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「変動率が高すぎて脱落した銘柄は2つ」

前回は、「決定戦にエントリーした貴金属4銘柄」として、2023年の各FOMC時点のFF金利見通し上位2位を、確認しました。

今回は、「変動率が高すぎて脱落した銘柄は2つ」として、4つの貴金属の価格変動率を、確認します。

金(ゴールド)、銀(シルバー)、白金(プラチナ)、パラジウムの4つは同じ貴金属ゆえ、値動きの「山と谷」のタイミングは、「長期視点」で言えば、大きく異なることは、あまりありません(長期視点で、どれかが大暴騰しているさなかに、どれかが大暴落することは、あまりない。短期視点では、山と谷が異なることは頻繁にある)。

しかし、変動率(山の高さ・谷の深さの程度)は大きく異なります。以下は、4つの貴金属の変動率(日次の変動率を四半期ベースで平均)の推移です。パラジウムが突出して高いことがわかります(2013年1月以降の平均は3.1%)。

パラジウムに次いで、変動率が高いのは銀(シルバー)です(同2.7%)。プラチナは同2.5%、金(ゴールド)は同1.4%です。

日々の変動率の高さは、言い換えれば、日々の「ドキドキ」「ワクワク」の大きさです。長期投資においては、日々の「ドキドキ」「ワクワク」発生による感情の浮き沈み(一喜一憂)は、しばしば、取引を中断してしまう要因になり得ます。このため、長期投資を前提とするのであれば、できるだけ、日々の変動率が低い銘柄を選ぶのが、よいと言えるでしょう。

変動率の観点より、4つの貴金属のうち、長期投資に用いるべき貴金属銘柄の候補を残すとすると、金(ゴールド)とプラチナが残ることになるでしょう。日々の変動率の高さは、短期売買のチャンスを大きくする要因でもあるため、パラジウムと銀(シルバー)は、短期売買に活用する、というアイデアもあるでしょう。

図:貴金属4つの価格変動率(日次の変動率を四半期ベースで平均)
図:貴金属4つの価格変動率(日次の変動率を四半期ベースで平均)

出所:Investing.comのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。