週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場はWTIで50-55ドル付近でのレンジ相場が想定されそうか。上昇要因としてはOPECの追加減産への思惑や米株式の戻り基調、ドル安推移が挙げられる一方、IMFが世界経済見通しで今年の成長率をリーマン・ショック以降最低となる3.0%に下方修正したことや、中国のGDPの伸びが統計開始以来の低水準となるなど、世界経済の後退懸念は上値を抑制しそうだ。テクニカル的にはWTIベースで50ドル割れを拒否する格好で切り返し、再度前回高値の55ドルを試す格好で上昇しているもののここを上抜けるには上昇要因に乏しく、跳ね返されればしばらくは現状レンジでのもみ合いが続く可能性が高まりそうだ。直近はもみ合いと見ればレンジ内での押し目買い、戻り売りが有効そうか。
 
NY原油チャート
 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。