[Vol.1591] 「有事の金(ゴールド)」出現

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。87.13ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回り反落などで。1,987.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年01月限は14,440元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年12月限は684.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1087.8ドル(前日比2.60ドル縮小)、円建てで5,232円(前日比33円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月23日 大引け時点 6番限)
9,520円/g
白金 4,288円/g
ゴム 255.9円/kg
とうもろこし 40,650円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『有事の金(ゴールド)』出現」
前回は、「過去を清算させるための戦争」として、改めて、イスラエルを取り巻く各種環境(2023年10月中旬時点)ついて述べました。

今回は、「『有事の金(ゴールド)』出現」として、NY金(中心限月)の推移(日次高値)を確認します。

足元、金(ゴールド)価格が急反発しています。NY金先物(中心限月)は、5月に準史上最高値(史上二番目の高値)をつけて以降、反落傾向にありましたが、イスラエルとガザ地区間で10月7日に戦争が勃発したことを機に、急反発し始めました。不安勃発を機に、投資家の間で資金の逃避先を求めて金(ゴールド)を物色する動きが加速する「有事の金」が出現したと言えそうです。

節目の大台である、1トロイオンスあたり2000ドルに到達するなど、騰勢を強める金(ゴールド)相場。予断を許さない中東情勢を受け、金(ゴールド)はまだしばらく、名実ともに輝きを放つ可能性があります。

先々週、ロシアとブラジルがそれぞれ、国連に停戦を求める決議案を提出しました。テロ行為を非難した上で、人道支援の提供を要請する内容でしたが、ロシア案はハマスを否定していないという理由で日米と欧州の主要国が反対、ブラジル案はイスラエルを非難しているという理由で米国が拒否権を発動したため、ともに採択されませんでした。

国連であっても、人道支援を要請する内容を含んでいても、「どちらが悪いのか」を断定しない限り、停戦を採択することができなくなっています。ハマスの後ろにはイランなどの非西側の主要国、イスラエルの後ろには米国を中心とした西側の主要国がいます。「どちらが悪い」を容易に決めることはできません。この戦争はまだしばらく続く可能性があります。「有事の金(ゴールド)」も、まだしばらく続く可能性があると、筆者はみています。

図:NY金(中心限月)の推移(日次高値) 単位:ドル/トロイオンス
NY金(中心限月)の推移(日次高値) 単位:ドル/トロイオンス

出所:Investing.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。