[Vol.1633] 24年も史上最高値更新が起きると予想(2)

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。74.49ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,061.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,875元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年02月限は566.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1090ドル(前日比10.25ドル拡大)、円建てで5,023円(前日比59円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月22日 11時30分時点 6番限)
9,386円/g
白金 4,363円/g
ゴム 242.2円/kg
とうもろこし 38,320円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「24年も史上最高値更新が起きると予想(2)」
前回は、「24年も史上最高値更新が起きると予想」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)について述べました。

今回は、「24年も史上最高値更新が起きると予想(2)」として、2024年のドル建て金(ゴールド)価格見通し(筆者イメージ)について述べます。

米大統領選(2024年11月)に向けて、前回(2020年)と異なり候補者が建設的な論戦が繰り広げた場合、施策に対する期待が膨らみ、景気回復期待(あくまでも期待)が増幅して株高が起きる可能性があります。こうした動きが目立てば、金(ゴールド)市場に「代替資産」起因の下落圧力がかかります。

とはいえ、FRBの方針転換(利上げ→利下げ)の影響度は高く、(大統領選だけでなく)さまざまな文脈で代替資産起因の下落圧力が発生したとしても、FRBの方針転換がもたらす代替通貨起因の上昇圧力がそれを相殺し(有事ムードも加勢し得る)、金(ゴールド)相場は高止まり、あるいは株高の中でも上昇する可能性があります。

このようなシナリオを描くことができるのは、単一のテーマだけで金(ゴールド)相場を注視しない考え方に立っているためです。単一のテーマだけで2024年のシナリオを立てようとすれば、利下げ→景気回復期待増幅→株高→金(ゴールド)安という短絡的なシナリオしか描けないでしょう。

2024年の金(ゴールド)相場が「株と金(ゴールド)は逆相関の関係でなければならない」という考え方が現代の金(ゴールド)相場分析になじまないことを、改めて証明してくれるかもしれません。2024年の金(ゴールド)相場の動向に、要注目です。

図:2024年のドル建て金(ゴールド)価格見通し(筆者イメージ) 単位:ドル/トロイオンス
図:2024年のドル建て金(ゴールド)価格見通し(筆者イメージ) 単位:ドル/トロイオンス

出所:LBMAのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。