[Vol.1685] 近年の株と金(ゴールド)の関係

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。78.40ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,163.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は14,200元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年04月限は622.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1226.35ドル(前日比11.55ドル縮小)、円建てで5,862円(前日比7円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月13日 18時11分時点 6番限)
10,266円/g
白金 4,404円/g
ゴム 329.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「近年の株と金(ゴールド)の関係」
前回は、「株価下落時の金(ゴールド)相場の傾向」として、筆者が考える地震の「ゆれ」と投資家が備えるべきことについて述べました。

今回は、「近年の株と金(ゴールド)の関係」として、MSCIオールカントリーワールドインデックスと金(ゴールド)の価格推移について述べます。

改めて、株価と金(ゴールド)価格の関係を確認します。主要な株価指数と金(ゴールド)、銅の相関係数です。相関係数は▲1と1の間で決定します。二つの価格推移が同じように動く傾向(正の相関)が強い場合、1に接近します(1の場合二つの値動きは完全に一致)。

正反対に動く傾向(負の相関)が強い場合、▲1に接近します。また、0は全く関わり合っていないことを示します。相関係数が0.7程度であれば、二つの価格推移は関わり合っている(相関が認められる)と言えます。

2000年1月から2024年2月までの毎月の終値を基にして算出した、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックスと金(ゴールド)の相関係数は0.774でした。この数値は、二つの値動きが似通っていることを示唆しています。

産業用で多用され、景気動向と関りが深いとされる銅との相関係数(0.658)よりも高いことが分かります。長期視点でみると、金(ゴールド)は銅以上に株と同じように動いていると言えます。

以下は、相関係数が0.7超えとなった期間を含む、株と金(ゴールド)の価格推移です。株は長期上昇トレンドを維持しています。金(ゴールド)はリーマンショック後にさらに騰勢を強め、その後は乱高下をしつつも、株と同じような山と谷を描いて上昇してきています。

図:MSCIオールカントリーワールドインデックスと金(ゴールド)の価格推移
図:MSCIオールカントリーワールドインデックスと金(ゴールド)の価格推移

出所:LBMAおよびQUICKのデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。