ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引量は約100~130トン。11月7日の価格はキロあたり38.10~38.62バーツ、RSS3号タイ主要港12月積価格は151.0~153.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、10月10日現在15,418トン(前旬比35トン増)。
10月上旬の入出庫は入庫1,081トン、出庫1,046トン。

◆展開予想

 東京ゴムは続伸、上海ゴムの上伸を受けて、先限は7月末以来となる180.3円まで上昇した。その間の材料は中国人民銀による約3年ぶりの利下げが行われた程度で大幅上昇のきっかけは判然としないが、東京ゴムの上昇は上海市場の大幅上昇を受けた売り方の買戻しの影響が大きかったと思われる。木曜日夕刻には、中国商務省が「米中は関税の段階的撤廃で合意した」と明らかにし、株式は大幅上昇・ドル円も109円台半ばまで円安が進行したが、上海ゴム価格は伸び悩み、円安進行も一服し週末を控え180円を下回る水準で推移している。

 11月8日正午過ぎ現在RSS先限は177.6円前後、TSR先限は148.9円前後の取引。週の高値はRSS180.3円/TSR148.9円、週の安値はRSS172.1円/TSR148.9円。

 東京ゴム当先順鞘幅は17.8円程度、期近は乗り換え商いが活発化したとみられ、先限価格の上昇局面においても順鞘幅が縮小した。産地価格は概ね172円程度であり、順鞘幅を踏まえれば期近限月は買いやすく期先限月は売りやすい。また、今週の上昇を受けて年明け以降の限月では新規貨物の入着もあり得るだろう。目先はシンガポール価格とも極めて近接しており、東京ゴムは相対的に“割高”に見える。上海市場の価格推移に注意しつつ、買い玉の手仕舞い・新規売りを検討する場面だろう。先限のレンジは167.0~180.0円を予想する。
 
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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp