ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。6月28日の価格はキロあたり72.38バーツ、RSS号タイ主要港7月積価格は205.0~215.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、6月10日時点10,867トン(前旬比1,124トン減)。

 6月上旬の入出庫は入庫167トン、出庫1,291トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅続落、上海ゴムは週末に中国とEUがEV追加関税について協議開始を決定したと伝わったこともあり上窓を開けてスタートもその後は買いが続かず、現物価格下落を背景に戻り売りに押されると下落に転じ、OSEゴムも330円台後半まで値を戻した後、再度売られ中心限月は320円台後半で推移している。株式はハイテク系中心に堅調で資金集中が続いている状況、商品は貴金属がドル高進行もあり横ばいか軟化も原油は続伸、ドル円は円安ドル高進行が止まらず一時161円台をつけ円建て商品の支援材料となった。

 6月28日引け時点のRSS11月限(中心限月)は327.5円、TSR9月限(中心限月)は274.0円。週の高値はRSS338.7円/TSR279.0円、週の安値はRSS325.4円/TSR274.0円。

 現物価格は335円程まで続落、週間を通じて値を切り下げており供給不安は後退。上海ゴムは緩やかな在庫増が続いており積極的に買い進める材料が乏しい。産地では先週に続き原料・製品価格の下落が続いており、例年対比で価格水準が高いため、農家が生産・供給を急いでいる可能性がある。国内は下落局面で当先の逆鞘幅が拡大、先限に比べて当月の積極的な売りが限定的なためであるが、現物下落によりOSEゴムの割安感が先週比で薄れる形となった。来週も引続き現物価格動向に注意を払い、現物価格トレンドをフォローしながら適宜売り買いの判断をしていきたい。中心限月は320.0~340.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp