ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は5~10トン。7月19日の価格はキロあたり64.07~64.65バーツ、RSS号タイ主要港8月積価格は200.0~205.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、6月20日時点10,189トン(前旬比678トン減)。

 6月中旬の入出庫は入庫427トン、出庫1,105トン。

◆展開予想

 OSEゴム下落、上海ゴムは週初の下落後は下げ止まり週後半にかけては値戻し基調となる中、OSEゴムは概ね上海に連動するも週半ばのトランプ氏によるドル高是正発言を受けた円高進行により一時直近安値を更新するなど戻りは鈍かった。株式はまちまち、ハイテク株売りが継続する一方中小型株は堅調、米9月利下げが確定的なことに加え、トランプ氏当選確率上昇に伴い物色対象が変化、商品は貴金属・原油ともさえない展開となりドル安が支援材料とならなかった。ドル円は一時155円台前半を付けるも週末時点では157円台で推移している。

 7月19日引け時点のRSS12月限(中心限月)は319.0円、TSR10月限(中心限月)は258.0円。週の高値はRSS323.8円/TSR262.0円、週の安値はRSS314.8円/TSR258.0円。

 現物価格は318円程、産地価格は週半ばから上昇に転じるも円高と相殺され週間では横ばいとなった。中国市場は内需がさえない中で緩やかな上海ゴム在庫増が続いており需要不振がある程度は織り込まれているか。産地では降雨の影響もあって原料採集が思うように進んでいないとみられ、製品に買い気が戻ってきている。OSEゴムは円高進行により割高感が生じる場面もあったが、週後半には現物価格上昇と円高一服を受けて割安圏に回帰、指定倉庫在庫の急速な減少をふまれれば突っ込み売りは避けるべき水準だろう。上海ゴム・ドル円の状況に注意を払いつつ押し目買いを検討したい。中心限月は310.0~335.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp