ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。9月20日の価格はキロあたり83.05~83.45バーツ、RSS号タイ主要港11月積価格は270.0~275.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月31日時点7,372トン(前旬比197トン増)。

 8月下旬の入出庫は入庫1,058トン、出庫420トン。

◆展開予想

 OSEゴムは上昇、中国南部・東南アジアでは台風・洪水の影響で生産活動が滞る中で上海ゴムに大口の買いが入り一時は18,000元を突破、連動する形でOSEゴムにも買いが入り中心限月は一時381.6円まで値を切り上げたが、その後は利益確定売り等に押されて360円台後半まで上げ幅を削った。株式は上昇、米国の0.5%利下げを受けて世界的にリスクオンの動き、商品は貴金属・原油共に上昇、ドル安支援もあって上げ幅が大きくなったか。ドル円は139円台で切返すと日銀総裁会見後には143円台まで円安ドル高が進行している。

 9月20日引け時点のRSS2月限(中心限月)は366.7円、TSR12月限(中心限月)は281.0円。週の高値はRSS381.6円/TSR284.4円、週の安値はRSS359.1円/TSR274.0円。

 現物スポット価格は390円程まで大幅上昇、相次ぐ台風や洪水が供給不安を招き価格上昇につながっている。上海ゴム在庫は24万トン台まで増加も当局による在庫買い上げの噂もあって買い優勢。産地では来週も降雨予報となっており、生産の回復と安定化にはまだ時間がかかりそうだ。OSEゴムは引続き低在庫と現物価格高騰環境下で輸入採算を下回る状態となっており、供給面の改善とそれに続く新規入着がなければ逆鞘幅拡大・価格上昇リスクがくすぶり続けるだろう。上海ゴム・産地動向に注意しながら押し目買い方針を維持したい。中心限月は360.0~390.0円を予想する。


出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp