ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。10月4日の価格はキロあたり83.69バーツ、RSS号タイ主要港11月積価格は280.0~286.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、9月10日時点7,148トン(前旬比224トン減)。

 9月上旬の入出庫は入庫975トン、出庫1,199トン。

◆展開予想

 OSEゴムは続伸、中国休場の中、週明けは上海ゴム休場前の上昇と円安進行により買い優勢となり、中心限月は一気に400円台を回復後一時414.3円まで上値を伸ばしたが、木曜日にEUDR施行が12ヵ月延期される可能性が報じられると対応在庫分のヘッジ売りが入ったとみられ390円台後半まで上げ幅を縮小した。株式はまちまち、日欧は上昇も米国は金利上昇や強弱感の分かれる指標を背景に伸び悩んだ。商品は貴金属が中国休場の影響もあってか伸び悩む一方、原油は急伸、ドル円は一時147円台をつけるなど円安ドル高が進行している。

 10月4日引け時点のRSS2月限(中心限月)は398.8円、TSR1月限(中心限月)は297.0円。週の高値はRSS414.9円/TSR312.0円、週の安値はRSS386.4円/TSR397.0円。

 現物スポット価格は414円程まで上昇、現物価格軟化よりも円安の押上げ効果が大きかった。上海ゴムは8日火曜日から取引再開となるので価格変動に注意したい。産地では降雨が継続しており、新規生産回復にはまだ時間が必要とみるが、EUDR施行延期観測の続報と影響を見極めたい。OSEゴムは指定倉庫在庫減少と輸入採算を下回る価格推移が続いているが、EUDR施行延期とそれに伴う余剰在庫放出があれば現物需給が緩む可能性がある。OSEゴム価格は輸入採算を下回る限りにおいては押し目買い方針を維持するものの、上海ゴム・現物価格動向次第では売り転換も視野に入れつつ柔軟な対応を心掛けたい。中心限月は380.0~410.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp