ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。12月13日の価格はキロあたり73.60バーツ、RSS号タイ主要港1月積価格は240.0~243.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、11月30日時点5,072トン(前旬比229トン減)。

 11月下旬の入出庫は入庫802トン、出庫1,031トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反落、上海ゴムは中国の中央経済工作会議で具体的な経済対策が明示されなかったことで短期勢の利益確定売りに押されて反落する中、OSEゴム中心限限月は円安に支えられて一時380円台まで買われる場面もあったが、戻り売りに押されると360円台後半まで値を切下げて引けている。株式はまちまち、日米大型株は堅調も欧州圏は横ばいか下落、商品は貴金属がドル高の影響で上げ幅縮小も原油は上昇、ドル円は日銀の利上げが来年1月以降にずれ込むとの見方が優勢となり一時153円台をつける等、円安ドル高が進行した。

 12月13日引け時点のRSS5月限(中心限月)は369.4円、TSR3月限(中心限月)は308.0円。週の高値はRSS383.4円/TSR313.0円、週の安値はRSS365.5円/TSR308.0円。

 現物価格は369円程に上昇、主因は円安進行であったが週末のタイ南部洪水警報発令も警戒されたか。上海ゴム在庫は2週連続増加も、中国11月の自動車生産・販売は共に300万台を大きく上回り今年最高を記録、12月末のNEV買換え補助金終了を前に駆け込み需要が発生しているとみられ実需は比較的堅調だろう。OSEゴムは当先の逆鞘幅が縮小、国内在庫は4月中旬以来初めて微増に転じたが依然流動的であることから動向に注意したい。OSEゴムは今週の下落で、輸入採算比では小幅割安水準となり目先の新規売り妙味は薄れたが、来週はFOMCと日銀金融政策決定会合があり変動率は上昇するとみられることから、取引レンジ相場を設定した上で割高・割安を見極めながら取引に臨みたい。中心限月は355.0~385.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp