意外と知らない原油　特性と用途を詳しく解説！

原油の商品特性

原油は、生産する国や地域によって性質が異なります。わかりやすい例えだと温泉と一緒です。一言に温泉といっても、草津、有馬、別府などの温泉はそれぞれ成分が異なりますよね。
原油の性質の違いとして代表的なものは、重さ（軽質、中質、重質）、硫黄分の含有量（低硫黄、高硫黄）があげられます。

ドバイ原油などの中東産原油は比較的重質で高硫黄ですが、WTI原油（米国南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出）とブレント原油（主に英国の北海で産出）は軽質で低硫黄であるのが特徴です。

軽質原油はガソリンや軽油といった成分を多く含むことから価値が高いとされます。反対に、重質原油は重油やアスファルトを多く含み、軽質原油より割安になります。原油の硫黄分の含有量も原油価格に影響し、低硫黄の原油は割高、高硫黄の原油は割安となる傾向にあります。

また、原油は国際取引では1バレル（159リットル）当たり米ドルで取引されています。円建てのキロリットル当たりの価格は、「ドル建て国際価格（バレル単位）÷159（1バレルに相当するリットル単位）×1,000×為替」で算出できます。

原油の需給関係

1. 原油の供給

2023年の世界の石油生産量は、約9,600万バレル（約1,500万キロリットル）/日でした。そのうち、米国、サウジアラビア、ロシアがいずれも1,000万バレル（約160万キロリットル）/日を超える状況で、この3ヵ国で世界の石油生産量の40%以上を占めます。
かつて、サウジアラビアやアラブ首長国連邦（UAE）などで構成される石油輸出国機構（OPEC）は、石油生産量のシェアが大きく価格形成に大きな影響力を保持していました。最近では、シェールオイル（在来型の油田よりも深い地層にあるシェール層に残留している石油）の生産量の増大などからOPECの影響力が低下したこともあり、2016年、OPEC加盟国とロシアやメキシコなどの非加盟国からなる「OPECプラス」の設立が合意されました。

2. 原油の需要

2023年の世界の石油需要は、約1億バレル（約1,600万キロリットル）/日でした。石油需要は、ほぼ全ての地域で前年より増加し、中でも中国、インド、中東、北米、中南米などが大きな伸びとなりました。
なお、世界の石油需要の見通しは、国際エネルギー機関（IEA）やOPECが月報などで発表しています。OPEC月報などは市場関係者から注視され、発表された石油需要の見通しは原油価格の動向に影響を与える傾向が見られます。

原油の価格変動要因

原油価格は時々の需要・供給のバランスにより変動しますが、価格動向に影響を与える主な要因として以下があげられます。

1. OPECプラスの動向

近年、非OPEC産油国による原油の生産量が増加していますが、OPECとロシアなど主要産油国で構成される「OPECプラス」の生産量は、全体の50％程度のシェアを占めています。このようなことから、OPECプラスの加盟国の生産動向は原油価格に影響を与えることになります。
OPECプラスは、閣僚級会合を開催（定期開催は半年に１回）して目標となる生産水準を協議しています。加盟国が生産量を制限する「協調減産」や「自主減産」が実施されると、生産量の減少につながるため原油価格の上昇要因となります。逆に、OPECプラス加盟国の増産、協調減産などの足並みが揃わないような状態になると、原油価格の下降要因となります。

2. 景気動向

原油の需要は、世界全体の景気動向がカギを握ります。特に、世界最大の消費国である米国と、世界第２位の消費国である中国の景気動向は注目されます。
なお、景気動向は株価にも反映されることになりますが、株価と原油価格には必ずしも相関があるものではありません。株高だからといって原油価格も上がるとは限らないので、この点には留意が必要です。

3. 地政学リスクの変化

主な産油国は中東、米国、ロシアなどですが、その国や地域の政情不安、テロ・紛争などが発生すると、原油価格に大きな影響を与えます。近年では、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの衝突など、産油国を巡る地政学リスクがクローズアップされています。このような地政学リスクの高まりは、原油の供給減につながるとの警戒から原油価格の上昇要因となります。反対に、高まっていた地政学リスクが後退すると、原油価格の下降要因となります。

4. 米国の原油在庫の状況

米国は原油の生産国ですが、世界最大の原油消費国でもあります。このため、米国の商業用原油の在庫量の増減は、石油製品の価格に影響を与えるなど、経済動向にも影響を与える可能性があります。

在庫量が増加する場合には需要の低迷を意味し原油価格が下落、反対に原油在庫が減少した場合には原油価格が上昇する要因となります。
米国の原油在庫に関する統計情報は、米エネルギー省エネルギー情報局（EIA）が毎週水曜日に発表する原油在庫（米国の企業が在庫として保有する商業用原油を週間で測定）などがあります。

5. 為替

原油は国際取引では米ドルで取引が行われます。したがって、ドル建て原油価格は、ドル安となれば上昇、ドル高となれば下落することになります。

日本は原油のほぼ全量を輸入していることから、輸入業者は円通貨の動向も影響します。円安となれば、今までより高い値段で輸入することになり、また円高となるとその逆のことがいえます。

東京商品取引所（TOCOM）に上場するドバイ原油は円建てにより取引が行われるため、日本に輸入する原油と同様、米ドルのみならず円通貨の動向も影響を受けることになります。

指数名	現在値	前日比
日経平均	{{n_ttf.close}} ({{n_ttf.time}})	{{n_ttf.side_merge_str}}
TOPIX	{{topx.close}} ({{topx.time}})	{{topx.side_merge_str}}
NYダウ	{{dji.close}} ({{dji.time}})	{{dji.side_merge_str}}
米ドル/円	{{jpy_x.close}} ({{jpy_x.time}})	{{jpy_x.side_merge_str}}
WTI原油	{{vnm_two.close}} ({{vnm_two.time}})	{{vnm_two.side_merge_str}}
NY金	{{vcm_one.close}} ({{vcm_one.time}})	{{vcm_one.side_merge_str}}
グロース250	{{mthr.close}} ({{mthr.time}})	{{mthr.side_merge_str}}
上海総合指数	{{ssec.close}} ({{ssec.time}})	{{ssec.side_merge_str}}

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