米原油生産量、今年中に日量1300万バレルにたっするか!?

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。米原油生産量・原油在庫の増加などでなどで。57.97ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,463.00ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は12,575元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年01月限は463.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで564.45ドル(前日比0.95ドル縮小)、円建てで1,968円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(11月29日 18時30分頃 先限)
 5,121円/g 白金 3,153円/g 原油 40,180円/kl
ゴム 186.7円/kg とうもろこし 23,160円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米原油生産量、今年中に日量1300万バレルにたっするか!?」

前回は「OECD石油在庫の増加は、減産を“強化”する動機に」として、OECD諸国の石油在庫について書きました。

今回は「米原油生産量、今年中に日量1300万バレルにたっするか!?」として、そのOECD石油在庫を増加させている一因とみられる、米国の原油生産量について書きます。

米国の原油生産量は、さまざまな機関から公表されています。

また、米エネルギー省(EIA)だけでも、マンスリーレポート、短期見通し(月次)、週間石油統計など、少なくとも3つの統計で公表されています。

速報性のある毎週公表される週間石油統計、確報性のある2カ月遅れで公表されるマンスリーレポートなど、統計によって、その性質が異なります。

今回注目したのは、以下のグラフのとおり、週間石油統計における米原油生産量です。

毎週水曜日(日本時間の水曜夜から木曜未明にかけて)公表されるEIAの週間石油統計は、前週金曜日時点のデータを最新としています。

11月27日(水)に公表されたデータは11月22日(金)時点が最新です。

この11月22日(金)の米国全体の原油生産量は日量1290万バレルでした。

統計は1983年1月7日から始まっていますが、日量1290万バレルは当該統計史上、最高です。

2010年ごろにはじまったシェール革命が大きな要因ですが、さらに言えば、2014年後半から2016年に起きた逆オイルショック(原油相場の下落・低迷)の際、シェール業者が原油価格が下落した環境の中でも生産量を増加させるために進めた技術革新も大きな要因と言えます。

日量1300万バレルまであと一歩です。今年、週間石油統計はあと4回、公表予定があります。(12月20日分の公表予定日は12月25日ではなく、同月27日)

その4回の間に日量1300万バレルを達成するか、注目したいと思います。

図:米国の原油生産量 単位:千バレル/日量
米国の原油生産量

出所:米エネルギー省(EIA)の情報をもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。