ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。6月13日の価格はキロあたり63.24~64.39バーツ、RSS号タイ主要港7月積価格は215.0~217.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、5月20日時点8,324トン(前旬比630トン増)。

 5月中旬の入出庫は入庫1,630トン、出庫1,000トン。

◆展開予想

 OSEゴムは小幅続落、上海ゴムは大口売りが入り下落する場面もあったが週間では上昇し13,800元台で引ける中、OSEゴムは週初に下落スタート後に中心限月は一時300円台まで値戻しする場面があったものの戻りを売り直されると前週比マイナス圏の290円台前半で引けている。株式は下落、米インフレ率上昇は落ち着きを見せる中、中東での緊張感が高まりもあってか反落、商品は貴金属が概ね上昇し原油は急騰、ドル円は一時145円台まで円安進行も週末時点では前週比小幅円高の143円台後半程度で推移している。

 6月13日のRSS3号11月限(中心限月)は終値292.2円、週高値300.6円、週安値288.2円。上海天然ゴム先物9月限は終値13,910、週高値13,975、週安値13,560であった。

 現物価格は311円程、前週比小幅上昇も小幅円高により相殺され横ばい、成約量にも大きな変化はなかった。上海ゴム指定倉庫在庫は19万トン台前半と小幅減少継続、中国5月の自動車生産・販売は前月比・前年同期比で10%強増加しており需要は堅調とみられる。一方でOSEゴムは今週も逆鞘幅修正が継続、指定倉庫在庫の増加が逆鞘修正圧力となっているか。タイでは降雨により生産回復が遅れていそうで取引は低調、シンガポール市場も逆鞘環境を維持する中で、国内ゴムの割安感は前週比で増している。引続き供給増加が明確となる場合の方針転換を前提とした上で、割安水準では押し目買い方針を維持したい。中心限月は285.0~305.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp