サウジアラムコの時価総額、一時2兆ドル到達

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)高止まり。主要株価指数の高止まりなどで。59.62ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,475.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は13,120元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は466.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで536.5ドル(前日比9ドル拡大)、円建てで1,877円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月13日 17時47分頃 先限)
 5,173円/g 白金 3,296円/g 原油 40,860円/kl
ゴム 201.5円/kg とうもろこし 24,200円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「サウジアラムコの時価総額、一時2兆ドル到達」

今回は「サウジアラムコの時価総額、一時2兆ドル到達」として、12月11日にサウジ国内市場に上場したサウジアラムコの株価が上昇し、取引開始2日目に同社の時価総額が一時、2兆ドルを超えたことについて書きます。

以下の資料のとおり、サウジアラムコの株価は取引開始2日目にあたる12日、一時38.7リヤル(約10.45ドル)をつけ、同社の時価総額は約7兆リヤル超(ドル換算で2兆ドル超)を達成しました。

2016年にムハンマド副皇太子(現皇太子)がサウジアラビアの経済改革「ビジョン2030」を打ち出した際、改革を推進する上で必要な資金を調達する手段として、同国国有の、世界最大の生産量を誇る石油会社サウジアラムコの株式(一部)を公開することを表明。

その際、同社の時価総額は“2兆ドル”という発言が出て話題になりました。

「ビジョン2030」は、3つのステージに分かれており、2016年から2020年までは“基盤を築く”期間とされています。

基盤を築く期間が終了することもあり、2019年中にアラムコのIPOを実現する必要があった、なおかつ、同社の時価総額を2兆ドルにする必要があったとみられます。

今では、この2つは達成しましたが、達成したが故に、今後、透明性が高い情報を開示し続けること、そして2兆ドルを維持するために株価を支えることの2点が求められるようになったわけです。

特に時価総額を維持するためには、やはり原油相場が堅調に推移することが非常に重要だと筆者は考えます。

来年3月の次回の総会で、減産をさらに強化・延長するなどの判断下され、原油価格が上昇すれば、アラムコの時価総額が安定的に2兆ドルを超える可能性があります。

今回、一時的にアラムコの時価総額は2兆ドルに到達しましたが、本番はここからなのだと思います。

図:サウジアラムコの株価、時価総額など
サウジアラムコの株価、時価総額など

出所:サウジアラムコの資料などをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。