[Vol.2033] 世界人口の増加と流通の目詰まりが同時発生

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。62.83ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。3,394.60ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年01月限は15,635元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年09月限は481.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2041.75ドル(前日比23.75ドル縮小)、円建てで10,043円(前日比39円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月14日 17時39分時点 6番限)
15,907円/g
白金 5,864円/g
ゴム 316.7円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●シカゴトウモロコシ先物 月足 単位:ドル/ブッシェル
シカゴトウモロコシ先物 月足 単位:ドル/ブッシェル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「世界人口の増加と流通の目詰まりが同時発生」
前回は、「極端気象が頻発する中、食料供給に不安あり」として、広大な国土を有する国々の農地面積を確認しました。

今回は、「世界人口の増加と流通の目詰まりが同時発生」として、世界の人口推移・見通しを確認します。

前回までの数回で、頻発する極端気象が農産物の生産を減少させたり、新興国の農地面積拡大を阻んだりする懸念があると述べました。

ここから数回は、需要面について書きます。以下は、世界の人口の推移・見通し(国連のデータ)です。先進国と新興国の分類は、国際通貨基金(IMF)の基準にのっとっています。

食料需要の根源ともいえる人口について、中国やインドを擁する新興国が、日本や米国を含む先進国を大きく上回っています。2023年は新興国がおよそ69億人、先進国がおよそ11億人でした。

国連の見通しでは、新興国の人口増加は2085年まで続き、最大で91億人に達します。新興国の人口が爆発的に増加すれば、世界の食料需要が膨張することは、想像に難くありません。

また、数年前に、世界食糧計画(WFP)が広告などで広く周知したとおり、世界には深刻な食料の不安を抱えている人がおよそ8億人いるとされています。

今後、供給の目詰まりが解消され、こうした人たちへの食料の供給が進むことは、多くの人が願うことです。

そして、世界全体の食料の需給を追う際、8億人という数字が足元の先進国の人口(およそ11億人)に迫る規模であり、見方によっては潜在的な需要ともとれることにも、留意が必要です。

図:世界の人口推移・見通し(国連のデータ)単位:10億人
図:世界の人口推移・見通し(国連のデータ)単位:10億人
出所:国連のデータおよびIMFの資料を基に筆者作成

 

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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。