ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は5~20トン。11月14日の価格はキロあたり555.95~56.10バーツ、RSS号タイ主要港12月積価格は202.0~205.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、10月31日時点6,452トン(前旬比377トン増)。

 10月下旬の入出庫は入庫1,541トン、出庫1,164トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅上昇、上海ゴムは10月の中国自動車関連統計で販売こそ前年同月比で+8.8%に鈍化も生産は+12%強と6カ月連続で10%以上を維持する中で堅調な需要継続期待から15,000元台半ばまで上昇する中、OSEゴムもショートカバーとみられる動きが強まり、中心限月は一時326.5円まで上昇したが、週末にかけて上げ幅を縮小した。株式は下落、米12月利下げ観測後退や米ハイテク株安が市場の重石となった。商品は貴金属が上昇し、原油は横ばい水準、ドル円は154円台半ばまで前週比1円強の円安ドル高が進行している。

 11月14日のRSS3号4月限(中心限月)は終値324.5円、週高値326.5円、週安値313.4円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,275、週高値15,350、週安値15,100であった。

 オファー価格は313円程に上昇、現物価格上昇と円安により換算値が押し上げられた。上海ゴム受渡可能在庫は10.8万トン台、指定倉庫在庫は15.8万トン台にそれぞれ減少しており価格上昇を後押ししたか。OSEゴム1-6番限は順鞘幅が縮小、指定倉庫在庫は小幅に連続増加も全体の上昇に合わせて期近にも買い気が見受けられた。主要産地では降雨が観測されつつも増産期であるためか先物市場対比での上げ幅は小さめ、TSR20は逆鞘を維持しており期近にも一定の買い気が入っていた。輸入採算面では期近こそ小幅に割安感を維持しつつも、中限以降の割安感は概ね解消されており、一段高を目指すには外部環境の支援が必要、上海ゴム・ドル円動向に注意しながら慎重に取引を進めたい。中心限月は315.0~330.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp