ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は不明。11月21日の価格はキロあたり57.50~58.50バーツ、11月28日のRSS号タイ主要港12月積価格は214.0~221.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、11月10日時点5,948トン(前旬比504トン減)。

 11月上旬の入出庫は入庫319トン、出庫823トン。

◆展開予想

 OSEゴムは3週連騰、上海ゴムは一時的な下落を挟むも指定倉庫在庫減少とタイ南部での洪水被害警戒を背景としたショートカバーが再度強まり先週高値圏に迫る動きとなる中で、OSEゴムも週半ばの反落後は上海ゴムと歩調を合わせて上昇し、中心限月は340円台を突破して引けている。株式は大幅反発、FRB当局者による発言を受けて市場の米12月利下げ織り込みが急速に広がり株式上昇をサポート、商品はドル安進行により貴金属は上昇転換、原油も小幅高、ドル円は156円台前半まで前週比1円程度の円高ドル安が進行した。

 11月28日のRSS3号4月限(中心限月)は終値342.2円、週高値342.2円、週安値332.2円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,470、週高値15,470、週安値15,145であった。

 オファー価格は339円程に上昇、タイ南部での洪水の影響で売値が急速に切り上がった一方、円高は換算値を押し下げた。上海ゴム受渡可能在庫は4.1万トン台、指定倉庫在庫は8.5万トン台と共に小幅増加、新規入庫が今後増加するとみられるが動向を注視したい。OSEゴム1-6番限は順鞘4.5円程に縮小、目立った値動きはないが指定倉庫在庫は減少傾向を示している。タイ南部では先週の洪水により原料採集・物流が停滞し、一部輸出にディレイが生じるリスクがあり、TSR20も1月限以降がわずかに逆鞘化しており来週以降も動向に注意が必要だろう。輸入採算面では期近以外の割安感が解消されるも、上海ゴム・現物・ドル円次第でブレの大きい状況が続きそうなため慎重に取引を進めたい。中心限月は330.0~350.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp