トランプ大統領が再選を目指して行う施策の原油相場への影響

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。60.55ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,496.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は12,810元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は480.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで554.05ドル(前日比3.75ドル拡大)、円建てで1,944円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月24日 19時12分頃 先限)
 5,240円/g 白金 3,296円/g 原油 42,070円/kl
ゴム 197.5円/kg とうもろこし 24,480円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「トランプ大統領が再選を目指して行う施策の原油相場への影響」

今回は「トランプ大統領が再選を目指して行う施策の原油相場への影響」として、トランプ大統領が再選を目指して行うとみられる施策が、原油相場にどのように影響を与えるのかを考えます。

2020年の原油相場のポイントとしては、米大統領選挙、サウジアラムコ関係者らの原油価格上昇への思惑、OPEC60周年、米シェール主要地区の原油生産増加の鈍化などが挙げられると考えられます。

中でも注目は、やはり“トランプ大統領が再選を目指す”米国の大統領選挙だと筆者は考えています。

2016年11月の当選、そして2017年1月の就任からおよそ3年間、世界はトランプ大統領の行動に大きな関心を寄せ続けてきました、

良くも悪くも、米国内でも世界的にも注目度が高いトランプ大統領による政治が、2020年11月に終わるのか、あるいは続くのかが決まります。

たくさんの意味で関心が集まる今回の米大統領選挙は、一味も二味も違った選挙になりそうです。

その意味では、その選挙で再選を目指すトランプ大統領の行動に、大きな関心が集まります。

大きな関心が集まるが故に、その行動の一つ一つに大きな意味が生じ、マーケットの変動要因になります。

筆者が考える、米大統領選挙に向けたトランプ大統領と原油相場の関係は以下の資料のとおりです。

景気の浮遊感の醸成や減税への意向を示すなど、一般の有権者からの支持を得やすい策を講じると考えられますが、景気の浮遊感を醸成させる策は原油相場の上昇圧力に、減税への意向を示す策は原油相場の下落圧力になるとみられます。

前回の「2020年のWTI原油相場は42~65ドル予想。米大統領選がカギ」で述べたとおり、2020年の原油相場は急騰も急落もなく、安定したレンジで推移すると考えています。

トランプ大統領が躍起になって再選を目指せば目指すほど、原油相場はレンジで推移しやすくなると言えます。

図:トランプ大統領が再選を目指して行う施策の原油相場への影響


出所:筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。