原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。61.94ドル/バレル近辺で推移。 金反発。ドルインデックスの反落などで。1,515.65ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は12,850元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は489.6元/バレル付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで561.35ドル(前日終値比0.45ドル拡大)、円建てで1,956円(前日終値比14円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(12月27日 18時38分頃 先限) 金 5,312円/g 白金 3,356円/g 原油 43,060円/kl ゴム 198.9円/kg とうもろこし 24,600円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「米シェール生産の“質”の維持に必要な原油価格の水準とは?」 今回は2016年年末からおよそ半年間、米シェールの生産動向の“質”を示す指標が一時的に低下したことから推測される、“質”を維持するために必要な原油価格の水準について考察します。 グラフのとおり、米シェール関連指標の一つである「新規1油井あたりの原油生産量」が、2016年末から2017年前半にかけて一時的に減少しました。 以前の「米シェール生産を過去最高にした立役者とは!?」で述べたとおり、当該指標はシェール生産における“質”を示す指標だと考えています。(“量”は坑井や油井の数です) “質”は、2014年半ばから2016年後半に起きた原油相場の急落・低迷(逆オイルショック)の時に、急激に向上しました。 原油価格の低迷時でも生産量を維持できるよう、シェール層を効率良く発見できる探索技術、坑井を地中で複数に枝分かれさせて水平に掘り進む掘削技術、リグを解体することなく次の掘削地点に移動させる技術など、さまざまな技術革新が進んだためです。 一度培われた技術はその後も維持されると考えられたものの、実際には“質”は、2016年末から一時的に低下しました。 このことは、逆オイルショック時に獲得した質が、お金をかけなければ維持できない質、つまり、原油価格が一定水準でなければ維持できない質だったことを示唆しています。 質の低下が顕著になるおよそ半年前、原油相場が一時的に40ドルを下回りました。この点が“質”の低下の直接的な要因となったと筆者は考えています。 実際のところ、その後、月次平均ベースでは原油相場は40ドルを下回っておらず、同時に“質”は低下していません。 このことから、“40ドル”が、質を維持できるかどうかの分岐点だと考えられます。 図:米シェール主要地区における新規1油井当たりの原油生産量(7地区平均)(左軸)と、WTI原油価格(右軸)
出所:米エネルギー省(EIA)およびCMEのデータをもとに筆者作成