週刊石油展望 ☆原油・――・――
先週末のWTI原油は前週比4.94ドル高の92.53ドル、ブレント原油は2.22ドル高の94.80ドルとなった。
先週の原油市場は、米・イラン停戦交渉の進展期待と新たな戦闘の再燃が交錯し、上下を繰り返す不安定な展開となりました。週初は前週末比での急騰の後、一服した格好となりました。背景には米・イラン和平交渉の行方に対する不透明感から、ペルシャ湾からのエネルギー供給が長期にわたり制限されるリスクへの懸念があったほか、イランがレバノンでの戦闘を理由に米国との協議を一時中断すると表明、さらにホルムズ海峡の完全封鎖に加えバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖も検討していると伝えられたことも、市場の警戒感を高めました。一方でトランプ大統領は、イランとの間でホルムズ海峡再開に向けた覚書が1週間以内に締結される可能性があると述べ、強弱材料が混在する形となりました。2日にかけては、イランがクウェートやバーレーンに向けて弾道ミサイルを発射したことや、米軍がイランのゲシュム島の軍事目標を攻撃したことなど中東での戦闘が激化し上昇となりました。3日は、イスラエルとレバノンがヒズボラの戦闘停止を条件に停戦に合意したとの報道を受け、価格は3日ぶりに下落しました。この合意がイランの要求事項の一つを満たすものとして、交渉進展期待が下押し材料となりました。またEIAの週間統計ではWTIの受け渡し地点クッシングの在庫が6週連続で低下し、最低操業水準に近づいていることも確認されました。4日は、ヒズボラがレバノンにおける米国仲介の停戦案を拒否し、イランの外相は「交渉に具体的な進展はない」と発言したものの、トランプ大統領が「最終交渉の真っ最中」と述べたことを受けた楽観的ムードから原油は下落しました。

出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート
今週も引き続き、米・イラン交渉とホルムズ海峡の通航再開の可否が最大の焦点となります。トランプ大統領は「最終段階の交渉中」と繰り返す一方で、イラン側は「具体的な進展なし」と述べており、両者の認識には依然として大きな開きがあります。供給面では、価格の変動が激しいため、ブレント原油の未決済建玉は8月以来の低水準に落ち込んでおり、市場参加者のリスク回避姿勢が強まっています。またOPEC本部で開かれた技術会議では、石油業界の専門家らが「ホルムズ海峡の閉鎖による供給途絶は、たとえ海峡が速やかに再開されたとしても年末まで続く」と警告しており、ADNOCのジャベルCEOも「中東からの石油供給が完全に回復するのは2027年以降」との見通しを示しています。価格動向については、ウェストパック銀行の商品調査責任者が「海峡が技術的に閉鎖されたままであれば、世界的な在庫逼迫により、ブレント原油は第4四半期に130ドルまで急騰する可能性がある」と警告しています。一方で交渉進展が鮮明となった場合には一時的な急落も想定されますが、ICMAの専門家が「少なくとも今後数ヶ月は90~100ドルのレンジでの推移が続く可能性が高い」と述べているように、現状水準が当面の基本シナリオと見るのが妥当です。
先週の原油市場は、米・イラン停戦交渉の進展期待と新たな戦闘の再燃が交錯し、上下を繰り返す不安定な展開となりました。週初は前週末比での急騰の後、一服した格好となりました。背景には米・イラン和平交渉の行方に対する不透明感から、ペルシャ湾からのエネルギー供給が長期にわたり制限されるリスクへの懸念があったほか、イランがレバノンでの戦闘を理由に米国との協議を一時中断すると表明、さらにホルムズ海峡の完全封鎖に加えバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖も検討していると伝えられたことも、市場の警戒感を高めました。一方でトランプ大統領は、イランとの間でホルムズ海峡再開に向けた覚書が1週間以内に締結される可能性があると述べ、強弱材料が混在する形となりました。2日にかけては、イランがクウェートやバーレーンに向けて弾道ミサイルを発射したことや、米軍がイランのゲシュム島の軍事目標を攻撃したことなど中東での戦闘が激化し上昇となりました。3日は、イスラエルとレバノンがヒズボラの戦闘停止を条件に停戦に合意したとの報道を受け、価格は3日ぶりに下落しました。この合意がイランの要求事項の一つを満たすものとして、交渉進展期待が下押し材料となりました。またEIAの週間統計ではWTIの受け渡し地点クッシングの在庫が6週連続で低下し、最低操業水準に近づいていることも確認されました。4日は、ヒズボラがレバノンにおける米国仲介の停戦案を拒否し、イランの外相は「交渉に具体的な進展はない」と発言したものの、トランプ大統領が「最終交渉の真っ最中」と述べたことを受けた楽観的ムードから原油は下落しました。

出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート
今週も引き続き、米・イラン交渉とホルムズ海峡の通航再開の可否が最大の焦点となります。トランプ大統領は「最終段階の交渉中」と繰り返す一方で、イラン側は「具体的な進展なし」と述べており、両者の認識には依然として大きな開きがあります。供給面では、価格の変動が激しいため、ブレント原油の未決済建玉は8月以来の低水準に落ち込んでおり、市場参加者のリスク回避姿勢が強まっています。またOPEC本部で開かれた技術会議では、石油業界の専門家らが「ホルムズ海峡の閉鎖による供給途絶は、たとえ海峡が速やかに再開されたとしても年末まで続く」と警告しており、ADNOCのジャベルCEOも「中東からの石油供給が完全に回復するのは2027年以降」との見通しを示しています。価格動向については、ウェストパック銀行の商品調査責任者が「海峡が技術的に閉鎖されたままであれば、世界的な在庫逼迫により、ブレント原油は第4四半期に130ドルまで急騰する可能性がある」と警告しています。一方で交渉進展が鮮明となった場合には一時的な急落も想定されますが、ICMAの専門家が「少なくとも今後数ヶ月は90~100ドルのレンジでの推移が続く可能性が高い」と述べているように、現状水準が当面の基本シナリオと見るのが妥当です。

