2021年12月、米国の原油生産量は日量1400万バレルに達する!?

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。58.30ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,554.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は13,150元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年03月限は463.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで526.4ドル(前日終値比2ドル縮小)、円建てで1,878円(前日終値比19円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(1月16日 18時3分頃 先限)
 5,489円/g 白金 3,611円/g 原油 41,440円/kl
ゴム 206.5円/kg とうもろこし 24,450円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「2021年12月、米国の原油生産量は日量1400万バレルに達する!?」

前回は、1月14日にEIA(米エネルギー省)が公表した短期見通しを参照し、米国の原油生産量について書きました。

今回は、「2021年12月、米国の原油生産量は日量1400万バレルに達する!?」として、先月と今月に公表されたEIAの短期見通しから、EIAが示した、2020年と2021年の米国の原油生産量の見通しについて書きます。

前回のグラフ(米国、サウジ、ロシアの原油生産量)でも触れましたが、EIAは、2020年も2021年も、米国の原油生産量は増加するとみています。

さらに、月次ベースで示した以下のグラフのとおり、2020年のいずれの月においても、今月公表された見通しの方が、先月公表された見通しよりも、多いことがわかります。

つまり、先月から今月にかけて、2020年の米国の原油生産量の見通しが、上方修正されたわけです。

これにより、この見通しどおりに生産量が増えれば、今年(2020年)12月、米国の原油生産量は、日量1350万バレルに達するとみられます。

また、同様に、2021年も増加の一途をたどるとみられ、2021年11月に日量1400万バレルに、同年12月には日量1410万バレルに達するとみられます。

昨日、OPECの関係者が匿名で、OPECプラスが3月に予定していた会合を6月に延期をし、3月で終了する減産を6月まで延長する可能性がある旨を話したと、報じられました。

OPECプラスの減産が2020年6月まで減産が延長されたとしても、米国の原油生産量は7月以降も増加し続けることが見通されています。

あくまでまだ、2020年1月時点の見通しであるため、今のところは重要な留意事項ではないかもしれませんが、今後も毎月、EIAが公表する見通しに注目していきたいと思います。

図:EIAによる米国の原油生産量の見通し 単位:百万バレル/日量
EIAによる米国の原油生産量の見通し

出所:EIAのデータより筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。