[Vol.2293] 2026年に10円玉が10円を超えた

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化懸念などで。94.04ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,441.84ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,635元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年10月限は720.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,602.09ドル(前日比48.51ドル縮小)、円建てで13,542円(前日比64円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月8日 18時59分時点 6番限)
22,430円/g
白金 8,888円/g
ゴム 438.2円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY銅先物(期近) 月足 単位:ドル/ポンド

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「2026年に10円玉が10円を超えた」
前回は、「10円玉の内訳、95%は銅」と題して、10円玉について、述べました。

今回は、「2026年に10円玉が10円を超えた」と題して、10円玉を構成する金属の価値(筆者試算)について、述べます。

10円玉1個の「金属としての価値」を試算しました。以下の図は、1974年以降の10円玉に含まれる各種金属の国際相場とドル円相場および、法令で定められた品位・量目(銅4.275グラム、亜鉛0.135グラム、スズ0.090グラムと仮定)に基づき試算した結果です。

1970年代半ばから2000年代前半まで、10円玉1個を構成する金属の価値は、おおむね1~3円程度で推移していました。新興国が台頭した2000年代前半から同半ばの間に発生したコモディティ(国際商品)相場の全面高時に4円近辺まで上昇したものの、額面である10円に達することはありませんでした。

その後は、リーマンショック(2008年)直後の安値を割れることなく小幅に上下しました。そして2020年代に入ると様子が一変しました。10円玉1個を構成する金属の価値は4円台、5円台、6円台へと切り上がり、2026年にはついに10円を超えました。筆者の試算では、足元の価値は10円台半ばに達しています。

もちろん、これは「10円玉を溶かせば利益を得られる」という話ではありません。貨幣損傷等取締法で定められているとおり、貨幣を損傷しまたは鋳つぶしたり、それらを目的として集めたりすることは法律で禁じられています(罰則あり)。

また、この試算で得られた価値は、10円玉1個を構成する金属の価値を各種金属の国際相場とドル円相場で計算した理論上の価値です。製造費や流通コストなどを含めた10円玉そのものの原価ではないことにも、留意が必要です。

とはいえ、「10円玉1個を構成する金属の価値が10円を超えた」という事象は一見に値します。世界で起きている大きな変化が、私たちの手のひらにある身近な硬貨にまで到達していることを、明確に示すためです。

図:10円玉を構成する金属の価値(筆者試算)単位:円/個

出所:世界銀行などのデータおよび日本銀行の資料を基に筆者試算、イラストはPIXTAを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。