[Vol.2296] 10円玉は自分と世界をつなぐカギ

著者:吉田 哲
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原油反落。直近の高値に到達したことなどで。99.70ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,384.92ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は19,315元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年10月限は812.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,583.87ドル(前日比22.33ドル縮小)、円建てで13,364円(前日比38円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月11日 18時26分時点 6番限)
22,106円/g
白金 8,742円/g
ゴム 434.0円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY銅先物(期近) 月足 単位:ドル/ポンド
NY銅先物(期近) 月足 単位:ドル/ポンド
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「10円玉は自分と世界をつなぐカギ」
前回は、「光と影の膨張で金属価格は高止まりか」と題して、「光と影の同時拡大」がもたらす10円玉を構成する金属の価格動向への影響について、述べました。

今回は、「10円玉は自分と世界をつなぐカギ」と題して、手のひらの10円玉を見つめることの意味(筆者イメージ)について、述べます。

この数回で述べてきたことを、私たちの日常に引き寄せて考えてみます。手のひらに10円玉を一枚置き、じっと見つめてみましょう。この数回の本欄を読み進めていただいた皆さまにおかれましては、その10円は、単なる10円ではなくなっているのではないでしょうか。

10円玉の95%を占める銅の向こうには、AI、データセンター、EV、送電網、半導体などが存在します。さらには銅、亜鉛、スズの向こうには、自由度・民主度が低下する傾向がある資源国の政策が存在します。そして、それらの価格を円に換算する過程では、日米の金融政策、物価動向が関わるドル円相場が存在します。

さらに視野を広げれば、主要な株価指数の上昇が示す「光のまぶしさ拡大」、世界分断深化、民主主義の後退、資源の武器利用の拡大といった非伝統的な有事の拡大が示す「影の濃さ拡大」にまで行き着きます。

手のひらにあるわずか4.5グラムの金属の塊の背景に想像を巡らせるだけで、技術革新、世界経済、金融市場、地政学、人間の心理などのたくさんの分野に、思考のアンテナを張り巡らせることができるのです。

こうした分野に想像を巡らせることは、投資活動に大変に役立ちます。投資の世界をより身近にするため、投資活動をさらに精緻化するためのヒントは、私たちの身近なところにあるのです。

「なぜ、10円玉の金属としての価値が10円を超えたのだろう?」。この疑問を心の中に持ち続けることは、世界で起きているさまざまな変化を知るきっかけになり得ます。手のひらの10円玉は、自分と世界をつなぐ「カギ」だと言えます。

キャッシュレス化が進行し、10円玉に触れる機会が減った方は少なくないと思います。しかし、だからこそあえて10円玉に触れることで、大きな新鮮さとともに、世界を展望する面白さを味わうことができるのではないでしょうか。

図:手のひらの10円玉を見つめることの意味(筆者イメージ)
図:手のひらの10円玉を見つめることの意味(筆者イメージ)
出所:筆者作成、イラストは生成AIで作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。