[Vol.2298] 「第二のホルムズ海峡」の現実

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化懸念などで。103.92ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,303.09ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は18,720元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年11月限は838.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,554.34ドル(前日比17.76ドル縮小)、円建てで13,298円(前日比21円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月15日 17時37分時点 6番限)
21,819円/g
白金 8,521円/g
ゴム 419.9円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『第二のホルムズ海峡』の現実」
前回は、「原油相場は『戦時下のレンジ』」と題して、NY原油先物価格(2026年 中心限月 日次平均 2026年9月11日まで)について、述べました。

今回は、「『第二のホルムズ海峡』の現実」と題して、主要な海上の要衝を通過したタンカーの数(21日間平均 2026年9月6日まで)について、述べます。

中東産原油の供給を考える際、ホルムズ海峡とともに確認しておきたい海上交通の要衝があります。アラビア半島の西側に位置する紅海とインド洋に面するアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡です。同海峡は「第二のホルムズ海峡」と報じられることがあります。

ホルムズ海峡については、イランと米国が実質的に封鎖したり、もう一つの当事国であるオマーンが航行のルール策定に関わったりするなど、事実上の封鎖が続いています。

同時に、バブ・エル・マンデブ海峡周辺では、イスラエルと対立し、イランから支援を受けているとされるイエメンのイスラム武装組織「フーシ派」による特定の国に関わる船舶を対象とした妨害活動が目立ちはじめています。アラビア半島の東と西の双方で、原油輸送をめぐるリスクが大きくなっています。

この構図に大きな影響を受けている国があります。世界有数の産油国であるサウジアラビアです。同国は主にアラビア半島の東側と西側から原油を輸出できますが、東側のホルムズ海峡と西側のバブ・エル・マンデブ海峡の双方でリスクが生じているため、一方がもう一方の代替ルートにならない可能性が高まっています。

以下の図が示す、両海峡を通過したタンカー数を見ると、2023年10月のハマスによるイスラエル奇襲以降、バブ・エル・マンデブ海峡を通過したタンカーの数が激減していることが分かります。

そして2026年2月末に始まったイラン戦争をきっかけに、ホルムズ海峡を通過したタンカーの数が記録的な減少に見舞われていることも分かります。

二つの要衝で同時に原油輸送をめぐるリスクが発生していることは、中東産原油の輸送を難しくしたり、航行コストを増加させたりする要因になり得ます。

図:主要な海上の要衝を通過したタンカーの数(21日間平均 2026年9月6日まで) 単位:隻
図:主要な海上の要衝を通過したタンカーの数(21日間平均 2026年9月6日まで) 単位:隻
出所:Port Watchのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。