[Vol.2297] 原油相場は「戦時下のレンジ」

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化懸念などで。103.30ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,349.32ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は18,970元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年10月限は904.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,571.87ドル(前日比39.43ドル縮小)、円建てで13,343円(前日比41円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月14日 17時42分時点 6番限)
22,002円/g
白金 8,659円/g
ゴム 427.1円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「原油相場は『戦時下のレンジ』」
前回は、「10円玉は自分と世界をつなぐカギ」と題して、手のひらの10円玉を見つめることの意味(筆者イメージ)について、述べました。

今回は、「原油相場は『戦時下のレンジ』」と題して、NY原油先物価格(2026年 中心限月 日次平均 2026年9月11日まで)について、述べます。

今後数回に分け、中東情勢、二つの重要な海峡の状況、サウジアラビアの原油生産量、世界や米国の石油在庫などを確認した上で、短期視点で、原油相場が「戦時下のレンジ」で推移する可能性があることについて述べます。

以下の図は、2026年のNY原油先物価格の推移です。2月28日に中東情勢が悪化したことをきっかけに、原油相場を取り巻く環境は変化しました。

それまで60ドル前後で推移していた価格は上昇し、その後はおおむね70~110ドルの範囲で推移しています。筆者はこの価格帯を「戦時下のレンジ」と呼んでいます。足元では7月につけた70ドル近辺を底に反発し、9月には100ドル近辺まで上昇しました。

原油価格を押し上げる材料には、米国の利上げ確率低下、中東情勢の再悪化、米国原油在庫の減少、ホルムズ海峡等の航行コスト増加観測、OPECプラスの協調減産の継続観測などがあります。

一方、世界経済悪化による需要減少、中東情勢の鎮静化期待、米国の利上げ確率上昇などは下落要因です。こうした上下両方の圧力が同時にかかっているため、一方向に動くのではなく、一定のレンジの中で上下する展開になっています。

長期視点の原油相場の動向を確認すると、2月28日を境に原油相場の水準感が変わったことがうかがえます。2000年以降の長期推移を見ると、70~110ドルは高い部類に入ります。中東情勢や供給環境が劇的に改善しない限り、「戦時下のレンジ」が続く可能性があると、筆者は考えています。

図:NY原油先物価格(2026年 中心限月 日次平均 2026年9月11日まで) 単位:ドル/バレル
図:NY原油先物価格(2026年 中心限月 日次平均 2026年9月11日まで) 単位:ドル/バレル
出所:Investing.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。