[Vol.2300] 世界の石油在庫も余裕なし

著者:吉田 哲
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原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。101.97ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,346.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は18,820元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年11月限は785.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,566.50ドル(前日比35.10ドル縮小)、円建てで13,509円(前日比113円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月17日 18時04分時点 6番限)
22,189円/g
白金 8,680円/g
ゴム 429.1円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「世界の石油在庫も余裕なし」
前回は、「サウジ減産で供給余力が縮小」と題して、サウジアラビアの原油生産量について、述べました。

今回は、「世界の石油在庫も余裕なし」と題して、米国のSPRの推移(2026年9月4日まで)について、述べます。

原油市場の需給を考える上で、在庫は重要な存在です。供給が一時的に途絶えても、潤沢な在庫があれば、それを取り崩すことで目先の需要を賄うことができます。

しかし、イラン戦争勃発を機に進行している、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡をめぐるリスクの拡大や、それをきっかけとしたサウジアラビアの原油生産量の大幅減少などの影響により、在庫の水準にも大きな変化が生じています。

米国を除く経済協力開発機構(OECD)諸国の石油在庫は、イラン戦争勃発後に取り崩しが加速しています。ロックダウン時に、在庫の取り崩しによって供給不足をしのいだコロナ禍の水準を下回っています。

また、米国の原油戦略備蓄(SPR)の水準の変化は、目を見張るものがあります。SPRは原油の供給に問題が生じた際に備えるための備蓄で、世界有数の石油消費国である米国だけでなく、世界規模の危機が発生した際の供給源になることがあります。以下の図のとおり、米国のSPRは40数年ぶりの水準まで低下しています。

米国のSPRが急減している背景に、中東からの原油供給量が急減した東アジア向けの輸出にSPRが用いられていることが、指摘されています。サウジアラビアの原油生産量の減少と同様、東アジア向けの輸出量が同戦争勃発直前の状態に戻るまで、米国のSPRは減少したり、低水準を維持したりする可能性があります。

図:米国のSPRの推移(2026年9月4日まで) 単位:千バレル
図:米国のSPRの推移(2026年9月4日まで) 単位:千バレル
出所:EIAのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。