週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は先週比0.99ドル安の58.50ドル、ブレント原油は0.69ドル安の64.62ドルとなった。

 前週末10日の海外原油相場は下落した。イランと米国の全面対決の回避や十分な在庫状況を背景に続落の動きとなった。

 先週は先週の流れを引き継ぎ軟調な動きが先行したものの、米中貿易協議一段階目の署名を終え下落一服の展開となった。週初めの13日は東京市場は休場の中、前週のEIA統計における製品在庫の増加による精製マージン低下等を背景に売りが優勢となった。翌14日は6営業日ぶりに小幅ながら反発した。翌日に米中貿易協議の署名を控え、中国が今後2年間でエネルギー製品約500億ドル分の輸入を約束したとの報道等を背景に反発した。翌15日は反落となった。米EIA統計で米国の原油生産が1300万B/Dまで増加が示されたことや、製品在庫が予想を大幅に上回る在庫増加となったことが圧迫した。ただし、在庫統計後の下落局面は押し目を拾われる格好で下げ幅をなくした。翌16日は反発した。前日の在庫統計の流れを引き継ぎ売りが先行したものの、米中貿易協議に続き北米自由貿易協議に代わる米国、メキシコ、カナダ協定が米議会で可決されたことで景気減速懸念が後退し終盤値を戻し反発に転じた。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。