[Vol.2326] 原油高は増税・株高は減税のよう

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。101.23ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,042.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は19,155元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年12月限は730.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,535.70ドル(前日比23.90ドル拡大)、円建てで13,470円(前日比7円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月29日 18時00分時点 6番限)
金 20,880円/g
白金 7,410円/g
ゴム -円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「原油高は増税・株高は減税のよう」
前回は、「金融緩和は『期待創造』措置でもある」と題して、米ドルのマネーストック(M2)について、述べました。

今回は、「原油高は増税・株高は減税のよう」と題して、株式投資の制度化、そして株価指数がインフラ化したことについて、述べます。

折しも2010年ごろは、世界的にコモディティ(国際商品)価格の底上げが始まったタイミングでした。

原油やLNGといったエネルギー、コーヒーやカカオといった農産物、トウモロコシや小麦といった穀物、金(ゴールド)やプラチナといった貴金属など、幅広い分野のコモディティ価格において、過去の安値まで下がらない状態(底上げ)が続いています。

かつて、トランプ米大統領はガソリン価格が高くなることを「増税のようだ」と述べました。ガソリンのように多くの人が購入する品目が値上がりすることによって、多くの人々の負担が増えます。さながら、増税です。

2010年ごろ以降は原油だけではなく、農産物、穀物、貴金属など、幅広い分野のコモディティ価格が底上げされています。まさにこの点も含めて、世界全体で「増税」が行われているようです。

コモディティ価格が上昇することを増税と言うのであれば、株価指数の上昇は減税と言えるかもしれません。株式投資が一般的になった今、金融商品の価格上昇のメリットを享受できる人は大変に多くなっています。

こうした状況の中、株価指数が上昇すれば、そのメリットをたくさんの人が享受でき、結果的に、減税のような効果があると言えなくもありません。

このように考えれば、株式市場は社会基盤、つまり「インフラ」だと言えます。さらにいえば、株式市場はすでに「経済」の分野だけで語ることができない状態に達していると表現できます。

以下の図のとおり、現代の、投資関連の制度整備、商品開発、情報発信は、いずれもインフラ整備の側面を持っていると考えられます。

図:株式投資の制度化、そして株価指数は社会のインフラへ
図:株式投資の制度化、そして株価指数は社会のインフラへ
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。