[Vol.2330] 投資の「王道」と「裏道」をイメージ

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。88.51ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。4,134.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は18,945元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年12月限は624.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,611.40ドル(前日比36.60ドル拡大)、円建てで13,887円(前日比19円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月5日 18時43分時点 6番限)
金 21,421円/g
白金 7,534円/g
ゴム -円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「投資の『王道』と『裏道』をイメージ」
前回は、「世の中の『王道』と『裏道』をイメージ」と題して、各分野の「王道」と「裏道」(一例)について、述べました。

今回は、「投資の『王道』と『裏道』をイメージ」と題して、投資活動の「王道」と「裏道」(一例)について、述べます。

前回述べた「王道と裏道の併用」という考え方は、不確実性と向き合い続ける投資の世界にも、大いに当てはまります。

以下の図は、投資活動における「王道」と「裏道」の一例を示しています。投資の王道には、「期待・成長への参加」「安心・安定を求める」「長期的な成長を享受する」「市場の評価を理解する」「実績・定石を重視する」といった特徴があります。投資対象としては、「株式」「大型株・主力株」「金(ゴールド)」などが挙げられます。

一方、投資の裏道には、「懸念・不確実性への備え」「未知・潮流を楽しむ」「価値が認められるまで待つ」「市場の評価とのズレを探る」「変化の兆候や新たな可能性を探る」といった特徴があります。投資対象としては、「貴金属」「小型株・割安株」「プラチナ」などが挙げられます。

世の中の王道と裏道の関係と同様に、投資の世界でも、王道しか知らない人は、従来の投資手法が通用しなくなったときに戸惑いかねません。一方、裏道しか知らない人は、奇をてらうあまり、目の前にある確かな投資機会を見失う可能性があります。

投資活動において、王道と裏道の双方を理解し、併せ持つことは、分散投資の質を高めるきっかけになり得ます。

例えば、王道しか知らない投資家は、王道に分類される金融商品ばかりを組み合わせて分散投資を行うかもしれません。反対に、裏道しか知らない投資家は、裏道に分類される金融商品のみで分散投資を行うかもしれません。

しかし、同じ「道」に分類される金融商品の数を増やしただけでは、十分な分散効果が得られるとは限りません。重要なことは、王道と裏道という異なる視点から投資対象を見つめ、それぞれの値動きの特徴やリスクを理解した上で、金融商品を組み合わせることです。

社会が複雑さを増す中、こうした考え方や行動によって、投資機会の発見とリスク分散の選択肢を広げることができるのではないでしょうか。

社会全体、そしてその一部である投資の世界には、王道と裏道が存在します。この構造を理解し、両方の視点を併せ持つことで、筆者は世の中の見え方が2倍にも、それ以上にも広がると考えています。前回述べた、王道で「確かさ」を得て、裏道で「可能性」を広げる、ということです。

王道と裏道を併せ持つことで、これまで気付かなかった価値を発見する機会が増えます。物事を一面的に捉えるのではなく、異なる角度から眺めることができるためです。このことは、人生を豊かにするだけでなく、投資判断の幅を広げ、投資の質を高めるきっかけにもなるでしょう。

古くから、相場の世界には「人の行く裏に道あり花の山」という格言があります。多くの人が進む道だけでなく、その裏にある道にも目を向けることで、思いがけない価値に出会えるという教えです。(もちろん、裏道を歩けば、必ず花の山にたどり着くわけではありません)

王道の合理性を理解しているからこそ、裏道に潜む本当の価値を見極めることができるのでしょう。王道と裏道に「正解と不正解」「優劣」などありません。

「王道を知り、裏道を知る。そして、両者を自分の中に共存させる」。このことは、変化の激しい現代社会を生き抜き、投資の質を高め、人生を豊かにするための大切な知恵なのではないでしょうか。

図:投資活動の「王道」と「裏道」(一例)
図:投資活動の「王道」と「裏道」(一例)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。