月初の15倍。中国以外の新型肺炎感染者増加数

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。49.34ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,652.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は11,325元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年04月限は382.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで720.6ドル(前日終値比2.9ドル拡大)、円建てで2,539円(前日終値比31円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(2月26日 18時55分頃 先限)
 5,846円/g 白金 3,307円/g 原油 36,090円/kl
ゴム 181.0円/kg とうもろこし 23,670円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「月初の15倍。中国以外の新型肺炎感染者増加数」

前回は「新型肺炎は欧米へ飛び火!?原油市場も要警戒」として、中国国内外の新型肺炎の感染者の前日比に注目しました。

今回は「月初の15倍。中国以外の新型肺炎感染者増加数」として、WHO(世界保健機関)が毎日公表しているデータをもとに、中国以外の感染者について書きます。

WHOは、中国やそれ以外の国や地域における新型肺炎の感染者数や死亡者数のデータを毎日公表しています。

韓国では感染者が1000名近くに増えたと報じられていますが、筆者が注目しているのは、アジアではなく、欧米です。

前回のとおり、新型肺炎が、原油などのメイン市場がある欧米に飛び火すれば、世界の原油市場にマイナスの影響を及ぼす可能性が高くなります。

アジアだけ新型肺炎が終始すれば、欧米にとって“対岸の火事”だったわけですが、いまでは、隣国の火事になってしまいました。

以下のグラフは、中国以外の感染者の数の前日比を示しています。

2月25日、中国以外における感染者数の前日比は+390人となりました。+518人だった同日の中国の感染者数の前日比よりは少ないものの、前日の2月24日は中国以外の方が多かったこともあり、感染は中国以外でも拡大していると言えます。

また、2月25日は+390人でしたが、2月1日は26人だったことから、2月25日の前日比増加数は月初比15倍になったわけです。

欧州の中でも、特にイタリアでの感染拡大が目立っています。2月24日から25日にかけて、感染者が105人、増加しましました。

メイン市場がある欧米での感染拡大は、原油市場の大きな懸念事項と考えられます。

そして、その欧米の感染者が増加傾向にあるということは、世界全体の原油市場における懸念が日に日に強まっていることを意味します。

いつ終息するのか先が見えない状況ですが、まずは、感染者・死亡者の数が増加しないことが望まれます。

図:中国以外の新型肺炎感染者数(前日比)  単位:人
中国以外の新型肺炎感染者数(前日比)

出所:WHO(世界保健機関)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。