週刊石油展望

著者:三浦 良平
ブックマーク
 先週末のWTI原油は先週比7.84ドル安の45.56ドル、ブレント原油は7.95ドル安の50.78ドルとなった。

 前週の海外原油は反落。米株の急落によりリスクオフの動きが優勢となったが、サウジ・クウェート・アラブの3ヵ国がロシア抜きで追加減産を協議しているとの報から安値からは切り返して引けた。掘削リグ数は前週比1基増加となった。

 先週は24日は大幅下落。韓国や日本のほか欧州や中東でもコロナウイルスが拡大しており、世界経済の重しとして警戒感が強まるなか、米株式が大幅安となったことでリスク資産である原油も売られる格好となった。25日も大幅続落。引き続き景気の冷え込み懸念からエネルギー需要の減退に繋がるとの思惑や、米株式が一時900ドル超下落したことから売り込まれた。26日は続落。EIA週報で製品在庫が減少が減少したことをきっかけに買い戻しが入る場面もあったが、景気後退懸念による軟調な流れは変わらなかった。翌27日も大幅続落。米国でも新型肺炎が拡大している懸念からNYダウが1100ドルを超える急落となり、米経済の失速による石油需要の減少が警戒され大きく売られた。週末28日の東京市場でもアジア株式市場が総売りの状況で原油市場も下値を探る展開となり、WTIで45ドル、ブレントで50ドルの節目を視野に入れた流れとなった。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。