週刊石油展望

著者:三浦 良平
ブックマーク
 今週の原油相場は引き続き上値重い展開が想定されそうか。OPECプラス体制の崩壊により原油価格のかじ取り役が不在となる中で、サウジやUAEが増産に転じる方針を示した。新型コロナウィルスの感染拡大によって当面の石油需要減退が避けられない上に、供給面でもサウジとロシアのシェア争いで増産が続けば原油価格の低迷は避けられないだろう。また、トランプ大統領が欧州からの渡航禁止を発表するなど、新型コロナウィルスの感染拡大が深刻化しており、世界経済の後退懸念から株価の動きが不安定であることも弱材料となりそうであり、WTIベースで30ドルを維持できなければ一層の下振れリスクも警戒しておきたい。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。