週刊石油展望

著者:三浦 良平
ブックマーク
 今週の原油相場は安値圏の水準固めとなるか。前週の後半からは比較的落ち着いた動きとなっているが、米株高には追随難となっており、買い意欲の高まりは感じない。やはり需要面では新型コロナウイルスの影響でIEAは最大20%の原油需要が減少するとの見方を示しており、供給面でも産油国の対立で4月からの供給増加が必至の状況が重しとなっている。新型コロナウイルスの感染拡大は欧米が中心となってきており、感染収束の目途がたつまでは期近物の上値が重い状況は継続しそうだ。ただ、米国はサウジの増産に歯止めをかけ3月初めの水準に戻したいとの思いが強く、サウジとの交渉を続けておりサウジの生産動向には注視が必要だ。
 
NY原油チャート
 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。