ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引量は減産期のためほとんど成約なし。4月9日の価格はキロあたり36.07~37.66バーツ、RSS3号タイ主要港4月積価格は146.0~148.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、3月31日現在12,862トン(前旬比72トン増)。
3月下旬の入出庫は入庫1,500トン、出庫1,428トン。

◆展開予想

 東京ゴムは2009年3月以来の安値から反発、週後半に先限で150.0円を上回ると一時155.5円まで上昇、上海ゴムが反発し中心限月で10,000元の大台を回復したことを東京も素直に好感し追随した。新型コロナウィルスの蔓延に伴う経済的影響は未だ不透明だが、各国政府は積極的な金融・財政政策を打ち出し、またロックダウンによる感染拡大防止策で感染拡大ペースは一部地域では鈍化傾向、世界的に株式等も反発している。

 4月10日正午過ぎ現在RSS先限は152.5円前後、TSR先限は127.5円前後の取引。週の高値はRSS155.5円/TSR129.0円、週の安値はRSS144.5円/TSR113.1円。

 主要産地のタイは本格的に減産期入りし現物市場の取引は閑散、産地価格は150円程度とみられる。東京市場は期近限月中心に“割安圏”であるため安値では買い気が見られる。また、現状の価格では貨物の入着も今後鈍化するとみられ価格が低位にとどまる場合、国内在庫は減少傾向が続くだろう。一方で、コロナウィルスの影響で世界的に経済活動が停滞しており、自動車用等のゴム需要は減退するとみられることから上海・シンガポール市場の上値余地は限られるか。現状で目立った強材料はないものの、一層売り込む材料もない。基本的にはレンジを想定し押し目買い・戻り売りで臨みたい。先限のレンジは145.0~160.0円を予想する。
 

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp