週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は10日のG20エネルギー相会合でサプライズ合意がない限り材料出尽くしで上値の重い展開を予想する。9日のOPECプラス会合では日量1000万Bの減産で暫定合意して一時的な急騰となったものの新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少が日量3000万Bと見込まれており『焼石に水』との見方から売られる形となった。10日の会合で米国の協調減産参加、各国の石油備蓄の大幅積み増し等のプラス材料が出れば週明けギャップを大きくあけてスタートする可能性もあるが、根本的な新型コロナウイルスのピークアウトが確認されるまでは需給バランスの解消にはならず上値限定の相場環境となるとみる。むしろ、米国等の協力が得られずOPECプラスの減産合意が反故にされた場合の懸念には十分すぎる程の留意も持って取引をするべきだろう。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。