週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比1.88ドル高の26.00ドル、ブレント原油は4.65ドル高の33.35ドルとなった。

 前週末の海外原油マーケットは大幅続伸。トランプ大統領の仲介もあり、サウジとロシアが再び減産について協議することになったことから大規模減産への期待が高まった。

 先週はOPECプラスによる会合において協調減産が合意されるとの見通しが原油価格を下支えしていたが、減産合意後の海外原油は大きく下げる展開となった。週明け6日は反落。6日に予定されていたOPECプラスの緊急テレビ会合が9日に延期になったことを受け、減産合意への期待が後退したことで原油価格は再び下落した。またオクラホマ州クッシングの原油在庫の増加も価格を押し下げる要因となった。8日は続落。協調減産への期待からプラス圏で推移していたものの、米エネルギー省が減産への不参加を示唆したことが嫌気されマイナス圏に沈んだ。新型肺炎による1日あたりの死者数がニューヨーク州で過去最多(731人)を更新したことも重しとなっている。8日は反発。予定されているOPECを中心としたオンライン会合で、前例のない規模の協調減産が合意されるとの見通しである。EIA統計では原油在庫が1517.7万Bとなったが、積み増し予想であったこともあり、あまり材料視されなかった。9日は反落。OPECプラスが日量1,000万Bと過去最大規模の減産で暫定合意したことで一時上昇した。しかし新型肺炎による需要減少の方が大きいことや、減産実現に懐疑的な見方もありその後は一転下落する展開となった。10日はイースター休暇で海外市場は休場。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。