週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 WTI原油の5月限は投資家の投げ売りでマイナス圏をつけるなど波乱の一週間となった。価格低下を受け産油国は減産の動きを強め、また、イランと米国が中東でやや緊張が高まっているとの見方もできる環境ではあるが、一筋縄ではいかないだろう。確かにマイナス圏を取引できるシステムや同水準で取引されたことに問題を感じるが、ETF等投資家のの建玉は6月限にも相応にあると思われ、来月も今回ほどではないと思われるが大幅下落があるとの見方もあるようだ。東京原油市場においても期先限月のほとんどの取組を某証券会社のETNが占めており、4/22は7000円安と大幅急落するなど、こちらの市場もかなりの不安定さが明らかになった。短期的な目線では東京勢はGWを控えていることもあり、上値重い症状となりやすいとみるが、非常にボラティリティが高いことや、証拠金も大幅に引き上げられているので口座管理にも注意して臨みたい。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。