週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は引き続き経済活動再開への期待感から上値を試す展開が想定されそうか。先週は新型コロナウイルスのワクチン開発に進展があったほか、2週連続で原油在庫の取り崩しが進んだことも好感されており、WTIは30ドル台を突破する動きとなった。上げ足の速さから上値では利食い売りも入り上げ幅を削っているものの、株高や石油需要の回復期待は根強く、目先は直近高値で年初来高値から半値戻しでもある35ドル付近を目標に上値を目指す展開を予想する。ただし、米中の対立激化への懸念や、中国で国家安全法が採決されたことで香港に対する締め付けが強化されるとの思惑もあり、上昇局面でも上値は重くなりやすそうであるため、高値掴みには注意したいところだ。
 
NY原油チャート
 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。