週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は原油独自の材料より金融市場のリスクオフの動きに主導される展開か。6日のOPECプラス会合で7月末まで日量970万Bの減産継続が決定したことで8日にWTIは40ドルを突破したものの、その後は材料出尽くしから大きく売られ35ドル割れを試す形となった。これまで堅調だった株式市場が11日に新型コロナウイルスの第2波が9月から始まるとの懸念からNYダウが1800ドル以上の急落となったことからリスクオフの動きが強まった。原油、株式市場とも量的緩和による潤沢な資金を背景に期待感から短期的に買われ過ぎ感が強く、WTIで30ドル、ブレントで35ドル前後まで下振れが拡大する可能性をはらんでいる。ただ、サウジは現状、7月のOSPの大幅引き上げからわかる通り、ロシアと価格競争をせず、原油価格が下落すれば減産継続する協調姿勢を示しており、大幅下落局面では積極的に買いを仕込んでいきたいところだ。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。