週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比2.25ドル安の35.35ドル、ブレント原油は2.63ドル安の37.67ドルとなった。

 前週末の海外原油は、大幅続伸。米雇用統計が予想を大きく上回る内容であったため、米国株が上昇、リスクオンの動きとなった。OPECプラスの減産延長への合意期待や、リグ数減少も支援要因となった。

 先週はWTI原油が40ドルの節目を意識され、利益確定の動きから戻りは売られる展開となった。週明け8日は反落。サウジ、UAE、クウェートが自主的な減産を打ち切るとしたことや、WTi原油が節目の40ドルに達したことで利益確定の売りが優勢となった。9日は反発。引き続き利益確定の売りに押される場面はあったものの、EIAの月報で米原油生産が一段と引き下げられたことが支援要因となった。ただ、米国の需要見通しも引き下げられていることから強弱が混在する内容となった。10日は続伸。EIA統計では原油在庫が予想に反して570万B増加となり、統計開始以来の最高水準を更新したが、FOMC後にドル安に進んだことが原油相場を押し上げた。11日は反落。FOMCで新型コロナウイルスを背景に慎重な景気見通しが示されたことから、石油需要の低迷につながるとの警戒感が広がった。また米国株も大幅安とリスクオフの動きとなっている。米国の新規感染者数は抑制されつつあるものの、一部の州で感染が拡大していることが不透明要因である。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。