引き下げが続く、米国の石油消費量の見通し

著者:吉田 哲
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原油反落。主要株価指数の反落などで。35.50ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,714.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,210元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年08月限は276.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで896.8ドル(前日比21.5ドル縮小)、円建てで3,169円(前日比46円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(6月15日 19時58分頃 先限)
 5,918円/g 白金 2,749円/g 原油 26,080円/kl
ゴム 155.1円/kg とうもろこし 22,380円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「引き下げが続く、米国の石油消費量の見通し」

前回は「米国の原油生産量の見通しにおける、興味深い矛盾」として、6月9日(火)にEIA(米エネルギー省)が公表した、月次の短期見通しで示された米国の原油生産量の見通しについて、書きました。

今回は「引き下げが続く、米国の石油消費量の見通し」として、EIA(米エネルギー省)が、3月から6月までに公表した、月次の短期見通しで示された米国の石油の消費量の見通しについて、書きます。

この場合の“石油”とは、ガソリンやジェット燃料、軽油や暖房油の元となる中間留分などの合計です。

このような“石油”の消費量は、米国経済の活況度を示す、バロメータといっても過言ではありません。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為に講じられたロックダウンが順次、解除されてきており、それに伴い、石油消費の見通しは増加傾向にあります。

ただ、見通しが公表されるたびに、増加の度合いが鈍くなっている、つまり、見通しの下方修正が続いていることが、わかります。

例えば、同じ2020年12月の見通しでも、4月公表分は、日量1983万バレルでしたが、5月は1921万、6月は1880万と、引き下がりました。

見通しの引き下げが続いていることについては、もともと見通しが楽観的だった、回復が難しいことが後からわかってきた、などが理由に挙げられます。

また、もともと、新型コロナの影響がほとんど想定されていなかった3月公表分の見通しでは、同月は日量2060万バレルとされていました。

米国国内の石油の消費は回復するも、年末になっても、平時には戻らないことも、見通されているわけです。

これらの事象は、新型コロナウイルスの影響を見通すことが、いかに難しいかを物語っているわけですが、第2波、第3波が仮ももし到来した場合、さらに、石油の消費量の見通しは引き下げられると、考えられます。

図:米国の石油消費量の見通し 単位:百万バレル/日量
米国の石油消費量の見通し

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。