週刊石油展望

著者:三浦 良平
ブックマーク
 来週の原油相場は調整の動き優勢となりそうか。中長期的には原油需要の回復から上昇基調が続くと思われるものの、足元では株価と同様に上昇ペースが早く、各国の金融緩和政策で市場に資金が流れやすくなっていることもあり実際の需給と比べて期待先行で買われすぎているように見える。また、南米やインド、米国の一部の州でコロナの新規感染者数が拡大しているなど、感染第2波への懸念もある中で上値は重くなりやすそうだ。テクニカル的には、WTIの8月限ベースで節目の40ドル、6月8日に付けた高値の40.69ドルを目指す値動きとなりそうだが、上抜けず下落した場合ダブルトップを形成する形となり、再び35ドル程度まで売られる展開が想定されそうだ。ただし、原油需要の回復期待や、OPECプラスの減産による供給過剰の解消期待は根強く、ある程度の底堅さも見られそうか。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。