週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 来週の原油相場は上値重い推移が想定されそうか。株高や石油需要の回復期待から急ピッチで上昇していたものの、足元では中南米やインドを中心にコロナウィルスの感染者数が再拡大しており、需要の回復ペースを見極める必要がありそうだ。また、米原油在庫が3週連続で増加し、過去最高を更新している状況を見ても需給がすぐに引き締まるとは考えにくい。テクニカル面ではWTIの期近ベースで41.63ドルの高値を付けた後に下落したため、6月8日に付けた高値と合わせてダブルトップを形成しており、40ドル付近では戻り売りに上値を抑えられやすいだろう。一方で、産油国による減産や経済活動再開の動きは引き続き支えになると思われ、大きく下落する展開ともなりにくそうか。来週はISM製造業景況指数や雇用統計など主要な経済指標の発表が控えており、株式相場などが大きく動く可能性もあるため、他市場の動向にも注視して取引に臨みたい。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。