まだ不安定!?2020年下半期の中国の石油消費見通し

著者:吉田 哲
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原油反落。主要株価指数の反落などで。40.78ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,821.00ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,690元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は298.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで930.45ドル(前日比6.15ドル縮小)、円建てで3,350円(前日比8円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(7月9日 19時41分頃 先限)
 6,262円/g 白金 2,912円/g 原油 28,860円/kl
ゴム 158.9円/kg とうもろこし 23,670円/t

●本日のグラフ「まだ不安定!?2020年下半期の中国の石油消費見通し」

前回は「ほぼ定まった!?2020年下半期の世界の石油消費見通し」として、7月7日(火)、EIA(米エネルギー省)が公表した“短期見通し”から、2020年下半期の世界の石油消費見通しについて、書きました。

今回は「まだ不安定!?2020年下半期の中国の石油消費見通し」として、前回の参照したEIAのデータから、2020年下半期の中国の石油消費見通しについて、書きます。

同データによれば、中国の石油消費量は2020年6月時点で、日量1141万バレルです。

これは、世界全体の12.8%にあたります。1つの国で12.8%は世界最大です。

この中国の石油消費量の見通しは、世界全体と同様、今年12月にかけて回復していくことが見通されています。

12月の値について、7月公表分が、5月公表分と6月公表分とほとんど変わらないことから、状況が急変しない限り、12月にかけて増加するという見通しはほぼ固まった、と言えると思います。

とはいえ、12月の値については、新型コロナ拡大前に作成された見通しである3月公表分よりも、7月、6月、5月、いずれも低い水準であることがわかります。

つまり、コロナ前の想定に届かない、ことが見通されていることも、世界全体の見通しと同じです。

筆者が中国の石油消費量の見通しを見て、気になったのは、7月の見通しが下方修正された点です。この点は、世界全体の見通しと異なります。

7月の見通しについて、6月公表分よりも、7月公表分は、日量180万バレル、下方修正されました。

このような修正が今後も続いた場合、12月の見通しまでも、下方修正される可能性が出てきます。

足元、株価指数の上昇が目立っている中国の石油消費量の増加は、ある意味、コロナ禍で混迷する世界の中で、良い意味で目立っている点と言えます。

中国の石油消費量の見通しが下方修正されないか、注意が必要です。

図:中国の石油消費量の見通し 単位:百万バレル/日量


出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。