週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は材料難の中で方向感を探る展開となりそうか。供給面では今週15日にOPECプラスが現行の合意内容通り8月以降の減産量を日量970万Bから770万Bに縮小することを決めたものの、想定内だったことから市場への影響は限られた。需要面ではガソリン需要がドライブシーズンを迎え回復傾向にあるものの、コロナウィルスの感染拡大を受けて再び移動制限等を敷く動きが見られる中で頭打ち感が出ており、需給両面で原油相場を動かす材料が出づらい環境となっている。来週にかけても株式相場が堅調に推移すれば原油も買われやすい展開となりそうだが、WTIベースで41~42ドル付近は強い抵抗線となっており戻り売りも根強く、ここを上抜くには今一つ強材料に欠けるところか。WTIで38~42ドル内でのレンジ相場と見れば、レンジ内での逆張りも検討したい。
 
MYMEX原油 指定限月 日足

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。