米国株についてのご質問に答えて

著者:近藤 雅世
 毎週月曜日夜8時にYou Tubeで放映している『Gold TV Net』(https://gold-tv.net/)という番組で金と原油についての解説をしているが、ときどき良いご質問をいただく。

 昨日は、小生が米国株よりもインドや将来はアフリカの株の方が良いのではないかと述べたことに対して、『米株式に将来性が無いと言う事は米国経済が衰退してゆく事を予想すると言う事でしょうか? また、中国経済は復活するとは言われていませんが、暗示的な表現をしている様に感じましたが? インドなどの新興国が世界経済を牽引する事になるのでしょうか? 正直に言うと、想像がつきません』というご質問をいただいた。

 これに対して私の私見を以下のように述べてみた。ご参考まで。

 米国株価はかれこれ10年近く上がり続けております。ことに最近の米国株はGoogle、Apple、Facebook、AmazonのいわゆるGAFAの株価が上がっていますが、Apple以外は虚業に見えます。宣伝の手段とか、物流の企業で、元になるモノの生産は行っていない企業ばかりのような気がします。

 時代は重厚長大から自動車産業、携帯電話と生産物の形態は変わってきましたが、今日の問題点は携帯電話に代わる産業が隆盛していないと言うことだと思います。いわゆる第三の矢の産業候補がいないことです。モノが過剰なため、値引き競争でデフレになって、ますます収益性が落ちて研究開発ができない状況で、政府や中央銀行がやっきになって景気浮揚策を税金や紙幣の増発で買い支えている状況かと思います。

 いわゆる株価も健全な投資環境ではないと思っております。

 世の中にモノがあふれ、それ以上のモノは要らなくなっているということかもしれませんが、次の産業の無い所で株価云々というのは、単なるマネーゲームに過ぎず、マネーゲームは人々の心理で動くものです。

 相場は元々そうしたものだとは思いますが、米国株に限らず、先進国株価はもう行きつくところまで来ているので、次の投資先は新興諸国や発展途上国の株価だと思っています。無論米国株よりはリスクは高いのですが、伸び率はほぼ飽和状態の先進国よりもずっとあると思います。

 これはエネルギー統計等を見ているとそう感じる次第です。

 原油にせよ、電力にせよ、自動車にせよ、先進国は、エネルギー飽和状態にありエネルギー需要の伸びが止まっていると感じます。

 その点アフリカのエネルギー開発はこれからで、発展途上国は一足飛びに最先端技術を取り入れて、一気に先進国を追い抜くことが多いというのが中国やインドの発展を見ていると感じる次第です。先進国が亀のように技術開発をしてきたのを発展途上国は一気に果実を先取りしてしまうのです。

 だから、発展途上国の方が伸び率は先進国よりずっと大きいのです。

 

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。
毎週月曜日週刊ゴールド、火曜日週刊経済指標、水曜日週刊穀物、木曜日週刊原油、金曜日週刊テクニカル分析と週間展望、月二回のコメを執筆。
毎週月曜日夜8時YouTubeの「Gold TV Net」で金と原油について動画で解説中(月一回は小針秀夫氏)。
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